【亀井静香氏】「次の総理は誰なのか? 断言するよ、俺の予想は外れたことがないんだ、初めての女性総理だ」

「永田町の最長老」が独占告白

「ただの忘年会だよ。だいぶ前から決まっていたんだ。時期が時期だから当然、もう岸田はもたんだろうな、という話にもなったけどな」

12月19日、自民党清和研(派)と志帥会(二階派)に東京地検特捜部の強制捜査が入った。同日夜、銀座の老舗料亭「金田中」に集ったのが、
亀井静香、小泉純一郎、山崎拓、武部勤の4人の自民党大物OBである。

会合の直後、小泉氏は囲み取材で「世間話ばっかりだった」とはぐらかしたが、山崎氏が「(ポスト岸田候補に)石破茂、小泉進次郎、上川陽子の名前が出た」と答えて、永田町は騒然となった。

今回、その夜には記者に多くを語らなかった亀井氏が、本誌の独占取材に応じた。飛び出したのは、驚きの「2024年政界大予測」だ。

「どんな話をしたかって? 岸田政権では日本はダメになる。経済対策は落第点、地方は衰退し、大企業ばかりが儲かって、庶民は物価高で虫の息。それなのに相変わらずアメリカのだ。あいつに一国のリーダーは務まらん。今のままでは日本のためにならない。そんな話にもなった。

普通、改造人事をしたら内閣支持率はほんの少しでも上がるもんだ。それが下がるんだから、この政権はもう先がない。岸田がインボイスのような弱い者いじめの政治ばかりやっとるから、国民の怒りに火がついたんだよ。4月の補選で自民党が負けたら、もう倒閣だ」

では、次の総理は誰なのか? そう訊くと、亀井氏は少し意外な人物を推した。

「俺は以前、石破を買っていたが、前回の総裁選に出なかったのがよくなかった。政治の世界というのは、一度勝負から降りてしまうと次はない。国民の期待だけじゃなく、自民党内からも『石破がいい』という声が出てこないといかんのだが、それが聞こえてこないんだ。

進次郎は山崎が名前を出しただけで、俺はまだまだだと思っとる。純ちゃんも『50になるまで総裁選には出さん』と言っていたよ。

茂木(敏充)は華がないだろ。それに、この状況で現幹事長が総裁候補というわけにもいかんよ。河野太郎? あいつのことはよく知らねえ。

要するに、男で期待できる奴がおらん。だから俺は上川や高市早苗なんかがいちばん総理に近いと思っているよ。もう男の時代じゃない、女の時代なんだ。

女性なら、いまの政界の汚いものを一掃できる。岸田の悪いイメージを払拭できる。そんな政治家は上川や高市しかおらんだろう」

亀井氏は上川氏に、かつて1993年に自民党が下野する直前、大旋風を巻き起こした社会党委員長・土井たか子氏の面影を見ているという。

「俺は死刑制度には反対だが、上川が法務大臣のときに16人の死刑執行を決めたのを見て、胆力のある政治家だと思ったよ。今は外務大臣としても立派にやっている。俺にとっては東大の後輩で、合気道仲間でもある。おたかさんもそうだったが、上川は派手じゃないのがいいんだ。

高市は弁が立つし華もあって、何より骨っぽいところがあるのがいい。実は前回の総裁選で、俺も陰ながら応援したんだよ。

どちらにしても初めての女性総理だ。どの陣営にとっても『こうなったら、しゃあない』と言えるだろ。男は全員いなくなるんだから、最後に残るのは女性だけになる。どちらかが勝つって断言するよ。俺の予想は外れたことがないんだ」

政界最長老の洞察は、年の瀬にも冴えわたっていた。昭和から続く「男たちの政治」が終わり、新たな時代が始まる……2024年はその節目になるのかもしれない。 「週刊現代」2023年12月30日・1月6日合併号より